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金利上昇幅が大きいほど効果が大きくなる点は十分に注目しておきたいところだ。
半数近くの人たちが不安を持っている実際、最近住宅ローンを利用した人たちの多くが将来の返済額の増額に不安を感じている。
全期間固定金利型を利用していれば返済額が増えることはないので、変動する可能性のあるローンを利用している人を対象に、住宅ローンの返済について気になることを聞いたところ、四四%の人が、「返済中の金利変動による返済額の増減」を不安視している。
「リストラなどによる収入減」(一六%)、「住宅ローン以外の支出増」(二四%)、「返済方法の変更について」(九%)などの不安に比べると、その比率は極めて高くなっている。
このところの景気拡大の持続で、ボーナスが増え、毎月の賃金も若干とはいえ増加傾向が明確になってきた。
失業率は低下し、求人倍率は一・〇倍を超える状態が続いている。
雇用面、収入面での不安に関しては、今後も減少していく可能性が高い。
しかし、それとは裏腹な関係で、景気拡大が続けば物価の上昇、続いて金利の上昇が避けられない。
それだけに、多くの人たちが、いまたいへんな不安を抱いているわけである。
ことに固定期間選択型で、二年、三年と特約期間の短いタイプの優遇金利制度の適用を受けた超低金利ローンほど、金利上昇による影響が大きくなる。
金利がわずか一・〇%上がるだけでも、返済額が四割近く増え、二・〇%のアップだと六割近く増えてしまう人たちが多い。
二〇〇二年に当時の東京三菱銀行(現在の三菱東京UFl銀行)が初めて金利一・〇%の超低金利ローンの取扱いを開始したときに、すぐに手をあげて利用した人であれば、二〇〇五年に特約期間の三年がやってきた。
三年が経過してもまだ低金利状態が続いていたわけだが、その時点での判断は二つに分かれた。
「まだまだ大丈夫だろう」と再度一・〇%の超低金利の固定期間選択型三年を選択した人、反対に「そろそろ危ない。
ここは長期の固定金利型が安心」と切り換えた人である。
その時点であれば、返済期間三〇年前後の全期間固定金利型のローンも二%台で利用することができた。
超長期の固定ではないが、ある程度の安心感を確保できる固定期間選択型の特約期間一〇年であれば、金利二・〇%で利用することができたのである。
その時点で、こうした二%台の安心感のある金利タイプに切り換えた人たちは、いまごろホッと胸をなでおろしていることだろう。
しかし、「まだまだ大丈夫だろう」と判断した人たちにも同情の余地がないわけではない。
二〇〇四年六月から八月にかけては長期金利が上昇し、一時は「すわ、本格的な金利上昇か」と叫ばれたものの、その後は再び低金利に戻したことがある。
それを間近にみていれば、金利はそう簡単には上がらないと判断したのも致し方のないところかもしれない。
いずれにしろ、再び超低金利ローンを利用してしまった人、あるいは初めてのローンでやはり当面の返済額優先で金利上昇による影響の大きいローンを選んでしまった人たちは、早急に手を打っておく必要がある。
その際に不可欠になるのは、将来の安心を買うためには、当面の返済額が若干増えるのは仕方がないという割り切りが必要ということである。
いまの返済額を増やすのはイヤ、しかも将来の金利上昇で返済額が増えるのもイヤというのは通らない。
当面の小さな痛みか、将来の激痛かの選択であってみれば、当面の小さな痛みを選択するべきであるのは当然のことだろう。
その覚悟を固めた上で、金利上昇に備える対応策を考えていただく必要がある。
まずはダメもとで現在の金融機関で相談してみる繰り返しになるが、金利上昇による返済額増額のリスクが最も大きいのは、一、二年前に固定期間選択型の特約期間二年、三年の超低金利ローンを借り入れた人。
当初の二年間、三年間は金利一・〇%と極めて低い金利で、返済額が少なくなっている分、金利上昇の影響が大きい。
もともと、優遇金利制度で店頭表示金利より一%以上低くなっている分がなくなる上に、その後の金利上昇分が上乗せされるので、衝撃は二倍、三倍になってしまうわけである。
その結果、特約期間終了後の返済額が金利によってはそれまでの四割近く、あるいは六割近く増えてしまうことは前項でも紹介した通り。
その衝撃をなくす、あるいは緩和するためには、金利上昇がはじまったとはいえ、まだトバロについたばかりのいまの段階で手を打っておく必要がある。
いまなら、まだ何とか小さな痛みにとどめることができるが、実行時期が遅くなるほどに痛みの度合いが大きくなるのは間違いない。
毎月の金利が上昇する現状では、一日でも早いほうがいい。
住宅ローンの金利は毎月一日づけで変更されるから、手続きが一日遅れただけで、翌月の高い金利が適用されて、痛みの度合いが大きくなることがあるのだ。
さて、そこで具体的な対策だが、ベストの選択は同じ銀行内で、より安全度の高い金利タイプに条件変更する方法である。
他の金融機関への借換えとなると、抵当権の抹消、新たな設定など手間ヒマもかかるし、費用もばかにならない。
通常は新たに各種の事務手数料や保証料・保険料などがかかってしまう。
金融機関にもよるが、残存期間が三〇年程度のローンだと、一〇〇〇万円当たり二〇万円ほどかかるとみておいたほうがいい。
三〇〇〇万円ならおよそ六〇万円ということだ。
それが同じ金融機関内であれば、条件変更手続きだけですみ、手数料なども数千円からせいぜい数万円ですむ。
最短でも国定期間が一〇年以上に組み替えるその変更後のローンとしては、二〇〇六年四月現在であれば、@二〇年超三五年の全期間固定金利型で二%台後半から三%前後への切替えA@が無理な場合には、固定期間選択型の特約期間一〇年ものの二%台前半の優遇金利への切替えのふたつが無難だ。
金利上昇見通しを前提にすれば、@の全期間固定金利型でより金利の低いローンが望ましいのはいうまでもないが、その条件を満たすローンは一部のメガバンクに限られ、地域などによっては利用できないこともある。
全国どこでも利用できる公庫と民間提携の全期間固定金利型で、比較的金利の低い「フラット35」は借換えには利用できない。
誰でも利用しやすいものとしては、Aの固定期間選択型の特約期間一〇年があげられる。
これはメガバンクで二・四〇%程度だが、金融機関によってはもう少し金利の低いものを発見することができる。
この金利タイプは、二年目以降から金利、返済額ともに変わることになるが、固定期間が一〇年あれば金利変動サイクルからみて、その間に一度は金利低下局面がやってくる可能性が高い。
そうでなくても、比較的年齢の若い人なら一〇年間である程度年収も増えるだろうし、金利や返済額の変化に耐えられるだけの体力をつけることもできるだろう。
しかし、金融機関では残念ながら同じ機関内での借換えには、簡単には応じてくれないのが現実だ。
固定期間選択型の特約期間中の扱いには特に厳しいものがある。
ここにあげた@Aのローンともに、初めてその銀行のローンを利用する人が対象になり、同じ銀行内での借換えには利用できない。
初めてマイホームを買う人のローンを獲得する、あるいは他の銀行で借りている人のローンを借換えという形で獲得するのを狙いとするキャンペーン商品的な色彩が強いわけである。
それだけに、原則的には同じ銀行内での変更には応じてくれないわけだが、そこは交渉しだいという側面もある。
メガバンクのある支店長によると、「どうしてもこのお客は逃がしたくない」という優良な顧客であれば、コッソリと対応してくれることもあるとか。
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